2012年3月1日木曜日

デキる人の秘密

今回、紹介する本は、宗教の本です。
『デキる人の秘密』 アルボムッレ・スマナサーラ著 国書刊行会 2010年発行

この本を購入した理由は、以前見たテレビで、著者でお坊さんのアルボムッレ・スマナサーラさんが「仏教は宗教というより、より良く生きるための知恵」と言っているのを見て、著者に興味を持つようになりました。それで一度本を読んでみたいと思うようになり、この本と出会いました。
私なりに、この本のポイントを紹介します。
  • 相手の性格を勝手に判断することは、相手に対して侮辱的な行為
  • 人の性格判断をしたがるのは、相手を支配しようとしているから。
  • 人間関係がダメになる理由は、相手を支配しようとするから。
  • 性格判断の基準は主観的
  • 外見的な判断は差別につながる
  • 世の価値観というものは、場所や時代によって異なるので、気にする必要はない。
  • 宗教や民族に関係なく共通する社会一般般常識を守る程度でよい
  • 性格は決めつけられない
  • 性格は無限の過去からの結果
  • 仏教の、柱になる六つの基本性格
  1. 欲型・・・喜び、楽しみが中心的な人 例:欲の深い人、よく笑う人、美を好む人
  2. 怒り型・・・例:批判的な人、落ち着かない人、すぐあきらめる人、怒りっぽい人、仕事が乱雑な人、暗いイメージを持っている人
  3. 無知型・・・物事に感心を持たない人、例:社会や環境の変化に気づかない人、物事の理解が遅い人、自分をなかなか変えられない人、ヒラメキがない人
  4. 信仰型・・・単純な人 例:物事に簡単に納得する人、人をほとんど疑わない人、他人にすぐに従う人、自分の意見を言わない人、すぐに感動する人
  5. 論理型・・・わかりやすく言えば妄想型 例:論理の達人、ああでもない、こうでもないと考え続ける人、理屈をつけて反対する人、物事のさまざまな側面をとらえて、異議を唱えるのが好きな人
  6. 知識型・・・ひらめきがある人、アイデアマン
  • 仏教の目的「解脱」に向けての能力開発
  1. Lesson1 妄想をやめる・・・現実性のない思考、実効性のない思考、自分の役にたたない思考をやめる。「妄想する=能力が蝕まれる」
  2. Lesson2 時間を短くする・・・長期的な計画は妄想の産物。遠い目的に対して、「今、何をすべきか」を発見し実行する。
  3. Lesson3 一個の部品に徹する・・・自分の仕事に集中して完璧にこなす。それだけしていればよい。なんでもしっかりやろうと思わない。
  4. Lesson4 喜びを感じる・・・いつでも喜び、充実感を感じるように計らうこと。とても真剣に取り組まないといけない時でも、冗談を言ったりして楽しくやるほうがよい。脳は喜びというご褒美を欲しがっている。「必勝」「根性」など苦しい思いをしていては能力は退化する。
  5. Lesson5 慈しみを育てる・・・「火事場の馬鹿力」人は秘められた力を持っている。火事場でなくても秘められた力を使うには「慈しみの心」が必要。慈しみは仕事を楽しくし、能力を向上させる。慈しみの心:他人を配慮、人の役に立ちたいといった心
  6. Lesson6 思考を整理する・・・人に役立つ、有意義で、慈しみにもとずいた思考、これが思考の整理。思考の整理をすると心が軽くなる
  7. Lesson7 ネガティブな感情を持たない・・・欲、怒り、嫉妬、恨み、高慢、自我意識などは、堕落した感情。「あの連中に負けてたまるか」といった感情は怒り。ネガティブな感情はカラダが固くなり、動きにくくなる。
  8. Lesson8 価値観を変える・・・世の中には命をかけるほどのことはない。生まれてから死ぬまでの全ての行為は「内職」と考えると心が軽くなる。「本職」は人格向上のみ。
  9. Lesson9 執着しない・・・なにかに執着すると、進歩・発展がなくなる。人生は毎日、新しい経験、新しく学ぶことがないと損だ、と考えよう。能力とは生まれつきのものではなく開発するもの。
  10. Lesson10 できないことを恥じない・・・苦手なことはしない。能力には限界がある。人は仕事ができればそれで十分。自分の限界までやったら、それで満足すべき。人格完成・解脱は本職だから完全になるまで納得してはいけない。
  11. Lesson11 仏弟子に学ぶ・・・人格向上に努力する。こころを清らかにすることに努力する。それ以外はそこそこで十分
仏教を通して自己啓発の仕方を紹介した本で、実用的です。仏教の視点は、俗世間の視点とは違っており新鮮です。読み終えたとき、自分の視野が広がった感じがしました。

著者紹介
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年スリランカに生まれる。13歳で出家となる。スリランカの国立大学で仏教哲学の教鞭をとられたのち、1980年に派遣されて来日。現在は、日本テーラワーダ仏教協会などで初期仏教の伝道、ヴィパッサナー実践の指導に従事されており、修行練磨の誠実温厚な人柄、的確流暢な日本語による説法で定評があります。
朝日カルチャーセンター講師の他、NHK教育テレビ『心の時代』への出演も反響を呼びました。
スマナサーラ長老は、お釈迦さまの根本の教えを通じて、仏教とは今この場で役に立ち、自ら実践し理解する智慧の教えであることを説かれています。・・・アルボムッレ・スマナサーラ長老より抜粋

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