『カール・セーガン科学と悪霊を語る』(THE DEMON-HAUNTED WORLD - SCIENCE AS A CANDLE IN THE DARK)
カール・セーガン著 青木薫薬 新潮社 1997年発行
著者は、途上国、先進国を問わず「トンデモ話」が溢れている状況を憂い、少しでも改善したいとの思いからこの本を書きました。
私は、この本により、何を信じ何を疑うべきかを学びました。
427ページ全てをまとめることは、ブログでは困難なので、ここでは、トンデモ話に騙されない方法とトンデモ話の一例を紹介します。
- トンデモ話に騙されない方法
- 裏付けを取れ・・・事実が出されたら、独立な裏付けをできるだけたくさん取るようにする。
- 議論のまな板にのせろ・・・証拠が出されたら、さまざまな観点をもつ人たちに、しっかりした、根拠のある議論をしてもらう。
- 権威主義に陥るな・・・権威の言うことだからといって当てにしないこと。「科学には権威はいない。せいぜい専門化がいるだけだ。」
- 仮説は複数立てろ・・・まだ、説明のつかないことがあるなら、それが説明できそうな仮説をありったけ考え出そう。次に仮説を、かたっぱしから反証していく方法を考えよう。
- 身びいきするな・・・自分の出した仮説だからと言って、あまり執着しないこと。仮説を出すことは知識を手に入れるための手段。なぜそのアイデアが好きなのか自問してみよう。そして、他のアイデアと公平に比較しよう。そのアイデアを捨てるべき理由がないか探してみよう。
- 定量化しろ・・・尺度があって数値を出すことができれば、いくつもの仮説の中から一つを選び出すことができる。あいまいな定性的なものには、いちいち説明が付けられる。
- 弱点をたたき出せ・・・論証が鎖のようにつながっていたら、鎖の輪の一つ一つがきちんと機能しているかチェックすること。すべての鎖が機能していなければならない。
- オッカムのかみそり・・・「データを同じくらいうまく説明できる仮説が二つあるなら、より単純なほうの仮説を選べ」
- 反証可能性・・・仮説が出されたら、少なくとも原理的に反証可能か問うこと。反証できないような命題に価値はない。例:「われわれの宇宙は、もっと大きな宇宙の素粒子に過ぎない」これは宇宙の外からの情報がないと反証不可能。主張は検証できるものでなくてはならない。
- 著者が紹介するトンデモ話
- 占星術
- バミューダ・トライアングル
- 雪男
- ネス湖の怪獣
- 幽霊
- 凶眼・・・その視線に触れると災難にみまわられるというもの
- オーラ
- テレパシー
- 予知
- サイコキネシス
- 千里眼
- 超感覚的知覚(ESP)
- 13は不幸な数字だという考え
- 血を流す像
- 切断されたウサギの脚をもっていると幸運が訪れるという考え
- ダウジング
- 自閉症のコミュニケーションが促進されるという主張
- 厚紙のピラミッドの中にカミソリを入れると切れ味が鈍らないという考え、その他「ピラミッド学のさまざまな教義
- 死者からの電話
- ノストラダムスの予言
- 訓練されたプラナリアの死体をすりつぶして、訓練されていないプラナリアに食べさせると、訓練内容を学習させられるという話
- 満月の夜には犯罪が増加するという話
- 手相占い
- 数秘学
- うそ発見器
- 彗星占い
- 茶の葉占い
- 「奇怪な」子供が生まれるのは何かの前兆だという考え
- イエスの磔など過去のできごとの写真
- 流暢にしゃべるロシアの象
- 感覚の鋭い人(ゆるい目隠しをされると、指先で本を読むことができる)
- エドガー・ケイシー(1960年代に、失われた大陸アトランティスが浮上すると予言した)をはじめとする預言者たち
- いかさま食餌療法士
- 幽体離脱体験(たとえば臨死体験など)は現代の外的経験だという考え
- いかさま信仰療法士
- ウィージャ・ボード・・・心霊術で用いられる文字・数字・記号を記した占い板
- ゼラニウムに感情のあることがうそ発見器で分かったという主張
- かつて溶け込んでいた分子を水が記憶しているという説
- 顔の造作や頭の出っ張り具合から性格がわかるという説
- 「100匹目の猿」など、何人かが信じたことは現実になるという主張
- 人間が自然発火して炭になるという話
- バイオリズムの3サイクル
- 永久機関
- 無尽蔵エネルギー
- ジーン・ディクソンらプロ超能力者のはずれまくる予言(ディクソンは1953年にソ連がイランに進攻すると予言、1965年には人類初の月着陸でアメリカはソ連に負けると予言)
- 1917年に世界は終わりを迎えるという「エホバの証人」の予言
- ダイアネティクス・・・有害な心象を除くことによって身体症状を治療しようとする心理療法
- サイエントロジー・・・米国人ロン・ハバードが1951年に始めた宗教運動で、至上の存在を否定して心理療法や自己修養を説く
- カルロス・カスタネダと「呪術」
- ノアの方舟の残存物を発見したという主張
- 「アミティヴィルの恐怖の館」などお化け屋敷のたぐい
- 現代のコンゴ共和国の熱帯雨林を、小型のプロントザウルスが歩き回っているという主張
カール・エドワード・セーガン(Carl Edward Sagan, 1934年11月9日 – 1996年12月20日)は、アメリカの天文学者、作家、SF作家。元コーネル大学教授、同大学惑星研究所所長。NASAにおける惑星探査の指導者。惑星協会の設立に尽力。核戦争というものは地球規模の氷河期を引き起こすと指摘する「核の冬」や、遺伝子工学を用いて人間が居住可能になるよう他惑星の環境を変化させる「テラ・フォーミング」、ビッグバンから始まった宇宙の歴史を”1年という尺度”に置き換えた「宇宙カレンダー」などの持論で知られる。・・・ウィキペディアより抜粋
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