2012年1月28日土曜日

ストレスに強い脳、弱い脳

今回紹介する本は、
『ストレスに強い脳、弱い脳』 有田秀穂著 青春出版社 2009年発行
です。

著者の有田秀穂さんは、セロトニン研究の第1人者で、ストレスに強い脳の作り方をわかりやすく教えてくれます。

その内容を私なりにまとめました。


脳を鍛えれば、だれでも打たれ強くなれる
脳細胞の数を生まれた時にはほぼ決まっているが、脳細胞をつなく神経は、経験によってどんどん複雑化していく
⇒脳はあくまで生後の環境によって発達

打たれ強さの源はセロトニン
  • セロトニンは脳内にあるセロトニン神経から分泌される物質
  • セロトニンの量が減ると、ストレスを受けるとすぐに落ち込んでしまう
セロトニン神経のはたらき
  1. すっきり爽快な意識を作り出す
  2. 平常心を維持する
  3. 交感神経を適度に興奮させる
  4. 痛みを軽減させる
  5. よい姿勢を維持する
セロトニンを減らす2つの原因
  1. セロトニンはつくりおきができない
  2. ストレスにより減っていく
セロトニン神経を鍛える3か条
  1. 太陽の光を浴びる
  2. リズム運動
  3. スキンシップ
1.太陽の光を浴びる
  • 5分~30分程度
  • 屋内の照明では暗いため効果はない
2.リズム運動
  • ウォーキング・ジョギンク・自転車こぎ・ダンス
  • 座禅・呼吸法
  • やりすぎに注意、マイペースでほどほどに
3.スキンシップ
  • さるのグルーミングはストレスをやわらげる行為
  • タッピングタッチ
セロトニンの原料
  • 原料はトリプトファンというアミノ酸
  • トリプトファンの多い食べ物: 豆腐・赤身の魚・乳製品・卵・バナナ・アボガド・青汁の原料であるケール
  • 炭水化物: トリプトファンを脳内に届ける
  • ビタミンB6: トリプトファンを合成させる
ストレスに強い人は眠りも深い
  • メラトニン: 睡眠にかかわるホルモン
  • メラトニンは日が沈むとセロトニンから合成が始まる
  • 電気をけすか、目とつむり、目から情報が遮断されるとメラトニンは分泌される
  • 夜中2時くらいから分泌が減少
  • 朝の日が差し込むと分泌が止まる
睡眠障害の原因
  • メラトニンに原料であるセロトニンの不足
  • カフェインの取りすぎによるメラトニン分泌の抑制
  • パソコン・テレビなどの電磁波
前頭前野の4つのはたらき
前頭前野は「自分をコントロールする」というはたらきをもっている
  1. 意欲・・・ドーパミン神経
  2. 共感力・・・セロトニン神経
  3. 集中力・・・ノルアドレナリン神経
  4. 切り替え力・・・セロトニン神経
直観力の鍛え方
直観力:共感力・切り替え力の先にあるもの
  1. 涙を流す
  2. 呼吸を合わせる
  3. タッピングタッチ
  4. グルーミング
1.涙を流す
  • 泣くことは究極のストレス解消法
  • 自分が泣ける映画をストックしておく
2.呼吸を合わせる
  • お互いが呼吸を合わせることにより共感を高めている
  • お神輿かつぎ: ワッショイ、ワッショイで呼吸を合わせている
  • サッカーの応援: 90分歌い続けることで共感をえている
3.タッピングタッチ
  • 孫の肩たたきは肩こり解消より癒しの効果が高い
  • 子供に口で説教するより、タッピングタッチのほうが心を開く
4.グルーミング
  • グルーミングはペットをなでることだけではない
  • 女性の井戸端会議、仕事帰りの一杯もグルーミングの一種
  • 家族団らんもグルーミングといえる
ドーパミン神経活用術
  • ドーパミンは夢をかなえる意欲の神経
  • 脳は報酬があるから努力できる
  • ドーパミンも行き過ぎは依存症におちいる原因になる
  • セロトニン神経が行き過ぎを防ぐ最後の砦
「ドーパミン原理」のしあわせと「セロトニン原理」のしあわせ
  • 「ドーパミン原理」・・・具体的な夢や目標を持ち、それに向かって努力する
  • 「セロトニン原理」・・・人と人とのコミュニケーションや共感
  • 夢の大きさではなく、夢の質を変える
  • 結婚は共感力を高めるひとつの修行

読み終えて、自分の生活を振り返ってみた。
<できていること>
  • 毎朝運転中に太陽の光を浴びている
  • トリプトファンの原料となる食べ物を食べている
  • 炭水化物を食べている
  • ビタミンB6の入ったサプリを飲んでいる
  • 寝る前にはカフェインをとらないようにしている
<できていないこと>
  • リズム運動をやっていない
  • スキンシップをやっていない
  • パソコンの前にいる時間が長い
  • 涙を流していない
  • お神輿かつぎやサーカー応援など、呼吸をあわせるイベントに参加していない
  • 仕事帰りの一杯や、家族団らん等のグルーミングが少ない

精神衛生には気を付けているつもりだったが、まだできていないことが多い。
もっと積極的に、人との触れ合いを持つ必要があるようだ。

また、これまで自分の人生で大切にしていたものは、「ドーパミン原理」的なものが多い。
「セロトニン原理」的なものは軽く扱ってきており、ハッとさせられた。

まずは、家族団らんから始めてみようと思う。


最後に著者のプロフィールと著者が代表を務める「セロトニン道場」のホームページを紹介します。

有田 秀穂(アリタ ヒデホ) 1948年生まれ。東京大学医学部卒業。
東海大学医学部内科で臨床、筑波大学基礎医学系で脳神経の基礎研究に従事。その間、ニューヨーク州立大学に留学。
東邦大学医学部統合生理学教授。
NPO法人国際セロトニントレーニング協会会長
・・・http://spysee.jp/...より抜粋

「セロトニン道場」のホームページ

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