2012年2月17日金曜日

マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック

今回は
『マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック』 イーサン・M・ラジエル、ポール・N・フリガ著 嶋本恵美、上浦倫人訳 英治出版 2002年発行
を紹介します。

マッキンゼーとは世界で最も成功しているコンサルティング会社です。日本の著名人では、大前研一さんや勝間和代さんがマッキンゼー社出身です。


1.問題の構造を把握する
1.構造を把握する
マッキンゼーのテクニック
  • MECE を貫徹させる ⇒ MECEとは「互いに重ならず、すべてを網羅する」(Mutually Exclusive, collectively Exhausive)
  • 初めての問題など存在しない
  • クライアントは、それぞれが唯一無二
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 構造がないと、アイデアに説得力がない
  • 構造を利用して、思考を強化する
活用・実践ガイド
  • 現実を構造化する
  • 問題を構成要素に分解する
  • 論理ツリーを活用する
  • 論理ツリーは MECE であること
  • 複雑な問題を単純な形で表現する
  • 新しいフレームワークを考える
2.当初仮説を立てる
マッキンゼーのテクニック
  • 最初の会議で問題を解決してしまう
  • 用意周到な準備が必要
  • 白紙の状態から始める
  1. 悪いアイデアというものはない
  2. ばかげた質問というものはない
  3. 自分のアイデアが退けられるのをいやがらず、必要があれば自分から取り下げる
  4. 会議が長くなりすぎて収穫が減ってきたら、無理に続けないで中止する
  5. 紙に書く (以上ブレーンストーミングのルール)
  • その問題は本当に解決すべき問題なのか
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 当初仮説は時間の節約になる
  • 当初仮説によって意志決定がより効果的になる
実践・活用ガイド
  • 仮説はクイック・テストにかける
  • 問題点ツリーを作成する
2.分析を計画する
マッキンゼーのテクニック
  • キー・ドライバーを探す
  • 大きな絵を眺める
  • 海の水を全部沸かすな
  • 解決策が姿を現すまで待つこともある
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 立てた仮説から必要な分析を割り出す
  • 分析の優先順位をきちんと決める
  • 絶対的正確さを目指さない
  • 難しい問題は三角法で測定する
実践・活用ガイド
  • 問題点をリストアップする
  1. 答えに関する当初仮説
  2. 仮説を証明あるいは反証するのに必要な分析(重要な順に並べる)
  3. 分析するのに必要なデータ
  4. 考えられるデータ源(たとえば、国勢調査データ、フォーカスグループ、面接調査)
  5. 各分析の予想される最終結果の概要
  6. 各最終結果についての責任者(あなた自身かチームのメンバー)
  7. 最終結果の期日
  • 無用な分析を省く
3.データを収集する
1.リサーチの戦略とツール
マッキンゼーのテクニック
  • 問題解決は事実から出発する
  • 「見当もつかない」は暗号 ⇒ 「検討もつかない」という答えがかえってきたらチャンスとして受け止める
  • 具体的なリサーチの実践テクニック
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 自分の組織のデータに関する方針を診断する ⇒ 直観よりデータ、データの欠如が効率的な意志決定を妨げている
  • 確かな事実が持つ威力を証明する
  • 適切なインフラを構築する
実践・活用ガイド
  • 戦略的なデータ収集とは
  • 事実を重視する文化を築く
  • 適切な情報源を探す
2.面接調査のテクニック
マッキンゼーのテクニック
  • 事前の準備−面接調査ガイドの作成
  • 面接の本質−聴きかつ導く
  • 面接調査を成功させる七つの戦略
  1. 面接相手の上司にお膳立てをしてもらう
  2. 二人組で面接をする
  3. 誘導しないで耳を傾ける
  4. 相手がいったことを言い換えて確認する
  5. 間接的アプローチを用いる
  6. 面接相手に多くを求めすぎない
  7. コロンボ戦術を用いる
  • 面接の相手を裸にしない
  • 面接トラブル対処法
  • 必ず礼状を書く
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 面接を構造化する
  • 面接では聞くことに専念する
  • 面接ではこまやかな配慮をする
活用・実践ガイド
  • 面接前後のフォローに気を配る
3.ナレッジ・マネジメントを究める
マッキンゼーのテクニック
  • 初めての問題など存在しない
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • すぐに応える文化を創り出す
  • 外部の知識を活用する
  • 入力の質を管理する
活用・実践ガイド
  • 知識を共有する
  • 組織全体が参加する
4.分析結果を解釈する
1.データを理解する
マッキンゼーのテクニック
  • 80対20の法則
  • 毎日一つチャートを作る
  • 解決策に事実を当てはめるな
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 「だからどうなのだ?」と考える
  • 的外れでないことを確かめる
  • 分析には限界があることを忘れない
活用・実践ガイド
  • 事実が仮説と矛盾するときは、仮説を変える
  • 80対20の法則を活用する
2.最終結果を生み出す
マッキンゼーのテクニック
  • クライアントに合った解決策を提案する
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • クライアントの眼を通して見る
  • クライアントの能力の限界を考慮する
活用・実践ガイド
  • すべてを話してはいけない
  • クライアントが変化を起こすのを手伝う
5.最終結果をプレゼンテーションする
1.プレゼンテーションの構造
マッキンゼーのテクニック
  • 誰にでもわかる道順を示す
  • エレベーター・テスト
  • 簡潔に−一つのチャートに一つのメッセージ
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 思考をしっかりした構造で支える
活用・実践ガイド
  • プレゼンテーションも MECE で
  • 結論から始める
  • 事前にエレベーター・テストを実施する
  • 添付資料はシンプルであること
2.同意を得る
マッキンゼーのテクニック
  • 関係者全員に事前通告する
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 驚かれるようなことを避ける
  • プレゼンテーションを聞き手に合わせる
活用・実践ガイド
  • 柔軟に対処する
6.チームをマネジメントする
1.チームを編成する
マッキンゼーのテクニック
  • 最適なスキルと人材を慎重に選ぶ
  • マッキンゼー式採用プロセス
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 示された能力だけでなく、相手の潜在的能力にも配慮する
  • 多様性の価値を理解する
  • 計画性を持って人材を採用する
活用・実践ガイド
  • 誰を雇うべきか
  • どうやって探すか
  • 多様性を忘れずに
2.コミュニケーションを促進する
マッキンゼーのテクニック
  • 情報をスムーズに流す
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 耳は二つあるが、口は一つしかないことを忘れてはいけない ⇒ 話すことよりも聞くことの方が有益。世の中に聞いた時間の半分しか話してはいけないというルールがあれば、平和な世界になる
  • 何を言うかだけでなく、どう言うかが重要だ
  • コミュニケーションは、不足より過剰のほうがいい
活用・実践ガイド
  • 聞くトレーニングを利用する
3.きずなを育てる
マッキンゼーのテクニック
  • チームの士気に気を配る
  • きずなは、ほんの少しで十分だ
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • いっしょに過ごす(ただし、やりすぎは禁物)
  • 十分に報いる
活用・実践ガイド
  • きずなを深めるメリットを示す
4.成長を促す
マッキンゼーのテクニック
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 期待は高く
  • つねに働きぶりを評価する
活用・実践ガイド
  • 野心的な全体目標を作る
  • 目標を伝える
  • きちんと評価する
  1. 客観的に評価する
  2. あらかじめ設定した目標にもとづいて評価する
  3. 当人の努力のおよぶ範囲のことだけに焦点を絞って評価する
  • バランスに気を配る
7.クライアントをマネジメントする
1.クライアントを獲得する
マッキンゼーのテクニック
  • 売込みをしないで売り込む
  • あくまで到達可能な目標を設定する
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • クライアントをはっきりさせる
  • ニーズを押しつけるのではなく、引きつける
活用・実践ガイド
  • クライアントが誰で、ニーズは何なのかを考える
2.クライアントとの関係を調整する
マッキンゼーのテクニック
  1. クライアントを巻き込む
  2. いつも客観的な視点を忘れない
  3. クライアント・チームを味方につける
  4. 足を引っ張るクライアントのチームメンバーをうまく扱う
  5. 低い枝の実を採る
  6. 相手の組織全体の支持を獲得する
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • クライアントを巻き込む機会を作る
活用・実践ガイド
  • クライアントと協力して成果を生み出す
3.クライアントを保持する
マッキンゼーのテクニック
  • 提案は厳しく実行させる
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 責任を分け合い、そのあとに委譲する
  • クライアントをヒーローにする
活用・実践ガイド
  • 協力してもらう範囲をあらかじめ明確にしておく
8.あなた自身をマネジメントする
1.職場での生活
マッキンゼーのテクニック
  • 自分だけのメンター(師匠)を見つける
  • シングルを打つ
  • 自分の上司を引き立てる
  • 自己主張するときはリスク覚悟で
  • よきアシスタントを確保する
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 自分ができないことは他の人間に任せる
  • 自分の人脈を最大限に活用する
2.個人的生活
マッキンゼーのテクニック
  • 旅から旅の生活を楽しむ
  • 自分の生活を手に入れたければ、何かルールを作る
マッキンゼーでの教訓と成功例
  • 自分の時間を大切にする
  • 自分の精神状態をチェックする
  • 重荷は分かち合う
10年以上前の本だが、内容は少しも色あせていない。すべてのビジネスマンにお薦めできます。
トヨタの自主研と相通じるところがあり、実践で使えるテクニックが満載です。

この本の前に、著者は
『マッキンゼー式世界最強の仕事術』 イーサン・M・ラジエル、ポール・N・フリガ著 嶋本恵美、上浦倫人訳 英治出版 2001年発行
を出しています。
こちらは、具体性に欠けている(著者も認めています)ため、実際の仕事に役立てるには、本書をお薦めします。

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