2012年1月22日日曜日

のうだま

『のうだま』上大岡トメ・池谷裕二著

最初の投稿で、私はこのブログが三日坊主にならないように、と書きました。
そこで、思い出したのが、今日、紹介する『のうだま』 幻冬舎 2008年初版発行 という本です。
サブタイトルは「やる気の秘密」。筆者は、
  • 『キッパリ! たった5分で自分を変える方法』(幻冬舎)の著者、上大岡トメさん
  • 『進化しすぎた脳』(講談社)の脳研究者、池谷裕二さん

内容を一言で言うと、サブタイトルの通り、どうしたらやる気がでるか、三日坊主にならないか、を分かりやすく漫画をまじえて書かれています。


まず、三日坊主のメカニズムの説明です。
  • 脳は、一度見たものを、毎回驚いていたり感動していても仕方ないため、もともと、マンネリ化するように出来ている
  • マンネリ化は2つの側面がある
  1. 楽しくて始める ⇒ 楽しいことがマンネリ化 ⇒ あきる ⇒ やめる
  2. めんどくさい ⇒ めんどくさいがマンネリ化 ⇒ 慣れる ⇒ 習慣化
2のパターンに持ち込めば、三日坊主にならなくてすむと言うことです。
しかし、めんどくさいがマンネリ化するまでは、やる気が必要です。
残念なことに、やる気をつかさどる脳の部位は、無意識化にあり、やる気を意識的に出すことはできません。
では、どうすればやる気が出るのか。
4つのスイッチがあると言います。
  1. スイッチB(Body):体を動かす
  2. スイッチE(Experience):いつもと違うことをする
  3. スイッチR(Reward):ごほうびを与える
  4. スイッチI(Ideomotor):なりきる

1.スイッチB(Body):体を動かす
やる気なない時こそ、出かけてみる
脳は体の動きに刺激を受けて始めて作業モードに入る
池谷さんは、
  • ○:朝、体を起こすから起きる  ×:起きるから体を起こす
  • ○:テレビを見て笑うから面白い  ×:面白いから笑う
  • ○:泣くから悲しい  ×:悲しいから泣く
と言います。やる気は待っていても出で来ない。体を動かして初めてやる気は出て来るということです。
これは、やる気の話だけではないと思います。私は、以前、認知行動療法で次のことを学びました。
ストレスによるいやな気分の変え方は2通りある
  1. 出来事の認識を変えて、気分を変える
  2. 行動を変えて、気分を変える
2.の「行動を変えて、気分を変える」ことと、「体を動かしやる気を出す」ことは似ていると思いませんか。(注:私の解釈ありで、本当かどうかわかりません)


2.スイッチE(Experience):いつもと違うことをする
脳はいつも新しいことをマンネリ化させので、目線を変えて気分転換をする
  • マンネリ化をが自覚できれば、少し違ったことをするたけで、やる気は戻る。
  • 少し目線を変えることで「いつもと違うこと」を味わえる
  • 友達を巻き込む
  • 続かなくで当たり前を思う
  • 今やっている週間にドッキング

3.スイッチR(Reward):ごほうびを与える
ごほうびによる気持ち良い刺激はとても強く、続けることの原動力になる
  • ごほうびには、ほめられる、達成感、理解してもらう、などといった、目に見えないものもある
  • ごほうびの内容・タイミングは適切な設定が大事(最初の目標は小さくする)
  • ごほうびは現状との差である(例:すきな食べ物を断ち、1週間ジョギングできたら食べられる、これもごほうび)
  • 次回が待ち遠しくなるよう、腹八分目でやめる
  • ほめてくれる人を用意する
  • 身銭を切る(逆ごほうび)

4.スイッチI(Ideomotor):なりきる
なりきると、脳が騙されその気になる
思いこみが強いほど、脳は騙されやすくその気になる
  • あこがれの人になりきる(例:イチローだったら、これくらいの練習は当たり前と思いやる気がでる)
  • カタチから入る
  • ずうずうしい妄想をする(例.英語を習って、ジョニー・デップと話をする)

この本の感想ですが、
  • 意志の力でやる気はでない
  • 体が最初で脳が後
など、常識と思っていたことが違っており、読んでいて目から鱗がおちました。
モチベーションが上がらず困っている人にお薦めです。


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