『ストレスに強い脳、弱い脳』 有田秀穂著 青春出版社 2009年発行
です。
著者の有田秀穂さんは、セロトニン研究の第1人者で、ストレスに強い脳の作り方をわかりやすく教えてくれます。
その内容を私なりにまとめました。
脳を鍛えれば、だれでも打たれ強くなれる
脳細胞の数を生まれた時にはほぼ決まっているが、脳細胞をつなく神経は、経験によってどんどん複雑化していく
⇒脳はあくまで生後の環境によって発達
打たれ強さの源はセロトニン
- セロトニンは脳内にあるセロトニン神経から分泌される物質
- セロトニンの量が減ると、ストレスを受けるとすぐに落ち込んでしまう
- すっきり爽快な意識を作り出す
- 平常心を維持する
- 交感神経を適度に興奮させる
- 痛みを軽減させる
- よい姿勢を維持する
- セロトニンはつくりおきができない
- ストレスにより減っていく
セロトニン神経を鍛える3か条
- 太陽の光を浴びる
- リズム運動
- スキンシップ
1.太陽の光を浴びる
- 5分~30分程度
- 屋内の照明では暗いため効果はない
2.リズム運動
- ウォーキング・ジョギンク・自転車こぎ・ダンス
- 座禅・呼吸法
- やりすぎに注意、マイペースでほどほどに
3.スキンシップ
- さるのグルーミングはストレスをやわらげる行為
- タッピングタッチ
セロトニンの原料
- 原料はトリプトファンというアミノ酸
- トリプトファンの多い食べ物: 豆腐・赤身の魚・乳製品・卵・バナナ・アボガド・青汁の原料であるケール
- 炭水化物: トリプトファンを脳内に届ける
- ビタミンB6: トリプトファンを合成させる
ストレスに強い人は眠りも深い
- メラトニン: 睡眠にかかわるホルモン
- メラトニンは日が沈むとセロトニンから合成が始まる
- 電気をけすか、目とつむり、目から情報が遮断されるとメラトニンは分泌される
- 夜中2時くらいから分泌が減少
- 朝の日が差し込むと分泌が止まる
睡眠障害の原因
- メラトニンに原料であるセロトニンの不足
- カフェインの取りすぎによるメラトニン分泌の抑制
- パソコン・テレビなどの電磁波
前頭前野の4つのはたらき
前頭前野は「自分をコントロールする」というはたらきをもっている
- 意欲・・・ドーパミン神経
- 共感力・・・セロトニン神経
- 集中力・・・ノルアドレナリン神経
- 切り替え力・・・セロトニン神経
直観力の鍛え方
直観力:共感力・切り替え力の先にあるもの
- 涙を流す
- 呼吸を合わせる
- タッピングタッチ
- グルーミング
1.涙を流す
- 泣くことは究極のストレス解消法
- 自分が泣ける映画をストックしておく
2.呼吸を合わせる
- お互いが呼吸を合わせることにより共感を高めている
- お神輿かつぎ: ワッショイ、ワッショイで呼吸を合わせている
- サッカーの応援: 90分歌い続けることで共感をえている
3.タッピングタッチ
- 孫の肩たたきは肩こり解消より癒しの効果が高い
- 子供に口で説教するより、タッピングタッチのほうが心を開く
4.グルーミング
- グルーミングはペットをなでることだけではない
- 女性の井戸端会議、仕事帰りの一杯もグルーミングの一種
- 家族団らんもグルーミングといえる
ドーパミン神経活用術
- ドーパミンは夢をかなえる意欲の神経
- 脳は報酬があるから努力できる
- ドーパミンも行き過ぎは依存症におちいる原因になる
- セロトニン神経が行き過ぎを防ぐ最後の砦
「ドーパミン原理」のしあわせと「セロトニン原理」のしあわせ
- 「ドーパミン原理」・・・具体的な夢や目標を持ち、それに向かって努力する
- 「セロトニン原理」・・・人と人とのコミュニケーションや共感
- 夢の大きさではなく、夢の質を変える
- 結婚は共感力を高めるひとつの修行
読み終えて、自分の生活を振り返ってみた。
<できていること>
- 毎朝運転中に太陽の光を浴びている
- トリプトファンの原料となる食べ物を食べている
- 炭水化物を食べている
- ビタミンB6の入ったサプリを飲んでいる
- 寝る前にはカフェインをとらないようにしている
<できていないこと>
- リズム運動をやっていない
- スキンシップをやっていない
- パソコンの前にいる時間が長い
- 涙を流していない
- お神輿かつぎやサーカー応援など、呼吸をあわせるイベントに参加していない
- 仕事帰りの一杯や、家族団らん等のグルーミングが少ない
精神衛生には気を付けているつもりだったが、まだできていないことが多い。
もっと積極的に、人との触れ合いを持つ必要があるようだ。
また、これまで自分の人生で大切にしていたものは、「ドーパミン原理」的なものが多い。
「セロトニン原理」的なものは軽く扱ってきており、ハッとさせられた。
まずは、家族団らんから始めてみようと思う。
最後に著者のプロフィールと著者が代表を務める「セロトニン道場」のホームページを紹介します。
有田 秀穂(アリタ ヒデホ) 1948年生まれ。東京大学医学部卒業。
東海大学医学部内科で臨床、筑波大学基礎医学系で脳神経の基礎研究に従事。その間、ニューヨーク州立大学に留学。
東邦大学医学部統合生理学教授。
NPO法人国際セロトニントレーニング協会会長
・・・http://spysee.jp/...より抜粋
東海大学医学部内科で臨床、筑波大学基礎医学系で脳神経の基礎研究に従事。その間、ニューヨーク州立大学に留学。
東邦大学医学部統合生理学教授。
NPO法人国際セロトニントレーニング協会会長
・・・http://spysee.jp/...より抜粋
「セロトニン道場」のホームページ
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